意外と多い、身近な膠原病、”シェーグレン症候群”
シェーグレン症候群は、免疫の異常(自己免疫)によって、涙腺や唾液腺などの「腺」に慢性的な炎症が起きて、目が乾いたり、口が渇いたりする、膠原病の中の一つです。 女性に多く、関節リウマチや甲状腺の病気の合併もしばしばみられます。
眼が乾く、すなわち涙が出にくくなることで角膜が乾燥し、いわゆる “ドライアイ” の状態に なり、眼がゴロゴロする、涙が出にくいなどの症状がでます。
また、唾液が出にくくなり、乾燥したもの (パンやビスケットなど) が食べにくくなったり、虫歯が増えたりします。乾いた粘膜のために空咳が増え、気づかずに『一年中風邪を引いている』
という人もいます。
このほかにも、関節が痛んだり、汗が出にくくなることで皮膚が乾燥したりすることもあります。
ほかにも疲れやすいなど、唾液腺以外の症状も出ることがあり、患者さんごとに出かたは異なりますが、日常生活にも支障が出ることが多いのです。
診断は血液検査、眼科でのドライアイの検査、耳鼻科での唾液腺の検査の3つで行います。
当院では眼科、耳鼻科での検査は信頼できる先生にお願いしています。
最近では唾液の分泌を増やす薬も開発されるなど、「かわき」の症状をやわらげて、快適な日常生活を送れるような方法が増えています。
診断の専門性などの点から、気づかれずにまだ多くのシェーグレン症候群の患者さんがいると言われています。血液検査などは簡単に行えるので、心配な方は一度相談されて
みてはいかがでしょうか。