[診察科目]リウマチ
関節リウマチって、どんな病気?
関節リウマチは関節が腫れ、放っておくと関節が変形してしまう病気
関節リウマチとは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されてしまい、関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。関節は腫れ、激しい痛みを伴います。他の関節の病気と異なる点は、関節を動かさなくても痛みが生じるところです。手首や手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすいことも特徴です。また、関節リウマチの症状は関節だけでなく、発熱、疲れやすい、食欲がないなどの全身症状が生じ、関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもあります。
免疫系が自分自身の組織を攻撃することで起こる
関節リウマチで生じる関節の腫れと痛みは、免疫の働きに異常が生じたために起こると考えられます。免疫は、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルス、それらに感染した細胞、癌になった細胞などを攻撃して破壊し、体内に侵入した異物や異常な細胞を排除する働きを担っています。 しかし、免疫に異常が主じると、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまい、炎症が生じ、関節リウマチの場合には関節の腫れや痛みとなって現れます。 関節で炎症が続くと、関節の周囲を取り囲んでいる滑膜が腫れ上がり、さらに炎症が悪化して、骨や軟骨を破壊していきます。
●関節リウマチの関節の変化
30〜50歳代の女性に多く発症する
関節リウマチが発症するピーク年齢は30〜50歳代で、男性よりも女性の方が約4倍も多く発症します。しかし、60歳以降に発症する方も少なくありません。
早期に発見、早期に治療すれば関節破壊の進行を抑制できる
関節リウマチは、関節が破壊され、変形して動かなくなってしまう病気です。最近の研究では、関節破壊は、関節リウマチの発症後、早期から進行するとが明らかになりました。しかし、早期に発見して、早期から適切な治療を行えば、症状をコントロールし、関節破壊が進行するのを防ぐことができます。
どうしてこんなに痛いのでしょうか?
痛みをコントロールするためにはまず痛み止めのお薬を使いますが、将来のためには関節が壊れるのを抑える治療も必要ですよ。
今から治療しないとだめですか?
そのままにしておくと関節が曲がり固まって(変形)、日常動作がしづらくなります。
参考
関節リウマチの症状
関節の症状
- 痛み、腫れ
- 変形
- 日常の動作がしづらい など
関節以外の症状
- 体のだるさ(けん怠感)
- 微熱
- 体重減少
- 肺炎
- 動脈硬化 など
これらの症状が強くあらわれることを「病気の活動性が高い」といいます。
症状のあらわれる可能性のある主な関節
●関節リウマチの症状があらわれる主な関節
どんな治療をするのでしょうか?
関節リウマチの主な療法は4つあります
治癒の目標
- 今ある関節の痛みや腫れを抑えること
- 関節が壊れないようにすること
- 将来の生活を見すえて身体機能を保つこと
の3つを目標にします。
主な治療法
治療の流れ
どうやって調べるのですか?
治療の効果を高め、お薬の副作用や合併症があらわれていないかを確認するためにも検査をきちんと受けるようにしてください。
画像検査
レントゲン:骨の表面のあちこちが欠けています
レントゲン:個々の骨がくっつき一体となっています
ストレスをためないように工夫します
1人で悩まずに周囲の人たちの理解、協力を得やすい関係を築けるとよいですね。
関節リウマチのことを正しく理解し、あなたの状態を知っていただくために
- 病院でもらった冊子やプリントを見てもらう
- 受診の際に付き添ってもらう
- 身体がつらいときや困難な作業が必要なときは、無理をせず手伝いをお願いする
- つらいときでも、感謝の気持ちをきちんとあらわす
症状が落ちつくまでは関節に負担をかけない動作を心がけます
- 関節に過度の力を加えない (正座しない、片手で重いものを持たないなど)
- 長時間同じ動作や姿勢を続けない
- 痛みのある時は無理をしない
台所では座って作業すると負担が減らせます